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日常の一コマや感じたこと。 偏見に満ちたオタク発言とか 二次創作発言などが極めて多し。 良く分からないと言う方は、回れ右推奨です。
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貴方を想うたびに、心が喰われていく。
煌めく感情が生まれるたびに、さくさく、さくさくと。
聞こえるはずのない獣の咆哮。
耳を塞いでも、それは何の意味もなさない。
獣は、私の裡にいるのだから。

どんなに喰らっても
満たされることのない貪欲な獣。
その牙に、私の気持ちは追いつけない。
その爪に、私は抗えない。

いつかこの手が、鋭い爪を生やした獣の足になり。
いつかこの心が、貪ることしか知らない獣のそれになった時。

貴方は、その身を差し出してくれる?
貴方は、その魂を差し出してくれる?

逃げることしかできないのなら、
どうか今すぐ私の前から消え失せて。
それで私は、最後の心を明け渡して
今すぐにでも、醜い獣へと堕ちてゆけるから。

呪いを解くのは、王子様の口付け。
それなら、私の呪いを解くのは誰?
貴方の口付けでも解けない呪いなら
どうか今すぐ私の前から消え失せて。
それで私は、最後の心を明け渡して
今すぐにでも、醜い獣へと堕ちてゆけるから。
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 ――逃げても良いよ。

 突然現れた彼は、そう言って微笑った。
 何のことか分からなくて、私は、え?と呟く。
 我ながら間の抜けた返事だと思ったが、彼は微笑みを崩さない。

「…ねぇ。逃げても、良いんだよ?」
「…あの…質問の意味を、理解しかねますが…?」
 何のことか分からなくて。私は素直にそう問い返した。
 鈍いね、と微笑う彼。
 男にしておくには勿体ない、整った美貌が婉然と微笑う。
「鈍い、と言われましても…。本当に意味が分からないんです。
 一体何から逃げろ、とおっしゃるんですか?」
「逃げろ、とは言ってないよ。『逃げても良い』って言ってる」
「…同じ意味に聞こえますけど?」
 怪訝に問う私に、全然違うよ、と彼は目を細める。

「逃げろ、は命令でしょ?それは僕が君に命令することになる。
 そうじゃなくて、逃げても良い、というのは選択。
 君に選択肢を与えてあげているんだよ」

 優しいでしょ?と。くつくつと笑う彼に、私は溜息を返した。
 同じことを三度も訊くのも、何だかバカバカしい。
 けれども一体私に何の『選択肢』を与えられているのか。
 肝心のそれが分からない。
 私がよほど怪訝な顔をしていたのだろう。仕方ないな、と
 笑い含みに呟いて、彼は一歩私に近づく。

「…僕はね、そんなに短気じゃないけど、気が長い方でもないんだ。
 そのうえ、人より頭三つも四つも飛びぬけて独占欲が強い。
 ――欲しいと思ったものはね、どんな手段を使っても手に入れたい」

 静かな。それでいて艶を含んだ甘い声で囁いて。彼は私の
 頤をつかんだ。強制的に上向かされて、私の瞳に彼の美麗な貌が映る。

「僕が何を――誰を欲しがっているのか。今更知らないとは言わせないよ?
 …でも、僕ばかりが欲しがっていては不公平だし、何より君の『人権』と
 やらを尊重しなくちゃ、人としての道理が立たないでしょう?
 ――だから、訊いてるんだ。……逃げても良いよ、と」

 琥珀色の美しい瞳が、闇をはらんだ危うい色を浮かべる。
 華奢でしなやかな――そのくせ武術をたしなむ武人の指が、私の
 頤、頬――そして、首筋を撫でていく。
 ――ずるい人だ、と思う。
 選択肢を「与えてあげる」と言いながら、結果が変わらないのでは意味がない。
「…それ、意味がありませんよ」

 ――だって貴方は、どんな手段を使ってでも、手に入れるのでしょう?

「あれ?そこは鋭いね」
 笑う男――その瞳の奥に隠されたのは、仔羊を狩る死神の鎌。
「だって、私がマクドールさんの傍を離れるわけがないじゃないですか」
 紛うことなき本音。――私の魂は、既にこの美麗なる死神に奪われている。
 そう?と彼は嬉しそうに――本当に嬉しそうに笑った。闇色の微笑で。
「じゃあ、その気持ちに全身全霊もって応えてあげるよ。――おいで」
 死神の腕が広がる。其処に飛び込めば、きっともう帰ってこれない。
 ――それでも。
 捕まえた仔羊を愛おしげに抱きしめて。良い子だね、と死神は微笑った。

「でも覚えておいてね?
 
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 選んだのは、君自身……だよ?」











                       †

――こんな坊が好きなんです(笑)
こんな闇で黒な坊はダメですか?( ̄▽ ̄)

きっと君に届くと信じてる。
声も、想いも。

だから――



また、私に出会ってね?





この心を、光が粉々に砕いてしまう前に。

 ――ほんの少しの優しさが、誰かを救うことがあると言う。
 ならば、ほんの少しの悪意は、誰かを絶望へと
 突き落とすことも可能と言うことか。


「手、つけちゃいましたよ」

 何気なく言った台詞に、彼は敏感に反応する。
 「誰に」とも「誰が」とも「何に」とも言っていないのに、その顔は酷く
 歪んでいて。ああ、この人は既に彼女に事の顛末を
 聞いているのだな、と直感で解かった。
「くすっ…何て顔、してるんですか?――仮にも故国で『英雄』と
 謳われる方が」
 笑い含みに目を眇めるボクに、彼の英雄殿は、昏い瞳を向けた。
 ――ああ、良い色だ、と素直に思う。
 きっとボクもあんな色の目をしているのだろう。


 『英雄』と言う名の人殺しであり、友殺しであり、地獄と闇。
 彼岸と此岸の境目を知るものの、瞳。


「…彼女に、本気なのかい?」
 やっと口を開いたと思ったら、そんなつまらないことを言う。
 止めてくださいよ。――ボクが聴きたいのは、そんな言葉じゃない。
 ボクが見たいのは、そんな貴方じゃない。
 ――だから、ボクは悪意の続きを紡ぐ。
「まさか。本気なわけないでしょう?」
 くすくす、と口の端に笑みをこぼすと、その薄暗い殺気は膨れ上がった。
「――でも、あのヒトは言ってくれましたよ?




 ボクと一緒に添い遂げてくれるって」






 ――ああ。
 そう。それですよ。


 ボクが見たかったのは、その、顔。――瞳。
 その全てをこの瞳に焼き付けて、ボクは逝こう。

 兄のように慕い、友のように信頼し。
 神のように崇拝した貴方。
 その貴方は、ボクよりもあのヒトを選んだ。
 ボクがあのヒトを愛し、聖母のように敬愛し、
 傍に居てほしいと願っていることを知っていたくせに。
 貴方は、ボクからあのヒトを奪った。

 
 そんな貴方の小さな意識しない悪意に、ボクが絶望したことを
 知らないとは言わせない。


 ――だから、




 ボクの小さな悪意で、貴方も絶望すれば良い。
 それが、ボクにできる最初で最後の



 貴方への手向け。




                     †


…暗い(爆)
暗い上に何の救いもない、2主独白。
多分こんなところなど見てらっしゃらないとは思いますが…。
管理人のお友達、Aさんに捧げます(←大迷惑)
Aさんが書かれていた某小説の、2主のアンサー的と言いますか(><;)
何勝手にアンサーとか言ってんのこの戯け!!」ってお叱り覚悟。
でもなんか、こーゆーの書きたくなっちゃって…(--;)
ええと、Aさん。
勝手な駄文、どうかお許しください(土下座)
 暦の上では立秋を過ぎたとはいえ、まだまだ夏の名残りが
 濃い日が続いている。
 時折ツクツクボウシが最後の恋唄を歌う中、少女が一人、
 田舎道を歩いていた。
 年の頃は十六かそこら。艶やかな髪を娘島田に結いあげて、
 鼈甲の櫛と、花簪を挿している。当代流行りの黄八丈を来ているが、
 その材質は他の町娘と比べて明らかに上質――おそらく、絹。
 時折吹く涼しい風に目を細め、ふと足を止めた。
 辺り一面、目に眩しい黄金色の海。収穫を間近に控えた、稲穂の
 頭が、涼風に揺れてまるで波のようだった。

「――お嬢さん……!」

 背後から若い男の声で、少女を呼ぶ者が居る。少女はそれに
 応えて振り返った。若い男が後ろから駆け寄ってくるのが見える。
「お嬢さん、やっと追い付いた…!」
「あら。別に付いてきてほしい、なんて言ってませんのに」
 荒い呼吸を整える男――その身なりは薩摩絣の着流し。腰に大小を
 佩いた、二十五、六の男だった。
 髪を後ろで一括りにしていて、髷を結っていない。とはいえ、大小を
 許されているのだから、間違いなく侍なのだろう。
 歳も上、身分も町女の少女と若侍で全く違うというのに、少女はそれを
 気にした様子もなく、つん、とそっぽを向く。
「あのな、お嬢さん。お前さんが付いてきてほしい、って言わなくても、
 お前さんが出かけるならお供するのが、俺の仕事なの。分かってるだろ?」
 些か呆れたように言う若侍。そんな彼を、じろりと少女は睨めつけた。
「そんな事、お父っつあんが決めた事で、私が決めた事ではありません。それに
 『笹葉屋』では随分とお綺麗な茶屋女に鼻の下を伸ばしていらっしゃったでは
 ありませんか。…別に私の供などせずとも、お好きなだけ遊んでいらっしゃれば
 よろしいのです。どうせ、小娘のお供など瑣末な事なのですから」
 冷静だが一気にそう言って、少女はまた歩き出す。

「お嬢さん」
「知りません。さっさとあの方のところにお戻りなさい。…使いなど私だけで事足ります」
「お嬢さん…!」
「お行きなさいったら…!――今は貴方の顔も見たくありません…!」

 あくまでも前を向いたまま、少女は言う。背後で、若侍は小さく溜息をついた。


「――さくら」


 不意に呼ばれた名に、少女――さくらの足が再び止まった。後ろから、
 近づいてくる足音がする。
「そんなに拗ねるな」
「…別に拗ねてなど居りません」
「そういうところが、拗ねてるっていうんだ」
 近づいた気配が、そっと後ろからさくらを抱きしめる。放して、という声は全く
 無視された。

「――要らぬ心配をするな。……俺の惚れた女は、さくらだけなんだから」

 耳を擽る甘い囁き。かっ、と頬に朱が走り、さくらの体が強張る。
「っだ、誰かに見られますっ!…放してください…!!」
 嫌だと言いながらも、けして本気で彼の腕をはがそうとしないさくらに、彼は
 くすりと笑った。
「こんな田舎道に、そんな野暮な奴が居るものか。――せいぜい、其処の案山子
 くらいのもんよ」
 それでもあまり苛めるのは可哀想――というより、色気が出ないうちに――なので
 彼はさくらを解放した。
「――さ、野暮用などさっさと済ませて帰ろうぜ?今夜は旦那と芝居見物に行くつもり
 なんだろ?」





                         †


……あまりにも。
あまりにも書きたかったから、とりあえずこれでお茶を濁す(笑)
時代物、何時か書けたら良いなぁ……。
(※恐れ多いから黙りなさい)
 
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