日常の一コマや感じたこと。
偏見に満ちたオタク発言とか
二次創作発言などが極めて多し。
良く分からないと言う方は、回れ右推奨です。
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「背、広いですよね」
「…はぁ?」
じーっと此方を見ているな、と。
視線を感じてもさほど気にせず――というより
気にしない『ふり』をしていたが。
流石に唐突な質問に、又兵衛はゆるりと振り返った。
「お前、急に何言い出すんだ?」
怪訝な声と視線。
それを投げかける先には、偶々拾って仕方なく面倒を見ている
一人の女が居る。
奉公構の憂き目に遭い、物乞いに身をやつし、牢人として
豊臣に拾われ――大坂城に詰めている身で。
他人に。それも女の面倒を見ている場合か、と。
真田辺りは呆れた顔をするけれど。
妙に人懐こく疑うことを知らないかのような女だ。
縁あって拾ったからには、捨てるのもはばかられる。
第一、女手はあって困るものではない。
身の回りの世話をしてくれる分には有難いし、
何より、話し相手が居るというのは、なかなかどうして嬉しいものだ。
だから傍に置いて、面倒を見て、世話をしてもらっている。
――その女が、唐突に。
こんなことを言いだせば、誰だって今の自分と同じことを言うだろう。
「急と言えば、まぁ、確かにそうですけど」
女が笑った。頬笑みと言うには品がなく、哄笑と言うには優しい顔で。
「ただ、又兵衛さんの背中。広いなぁと思って。…頼りがいがあるというか」
「おだてても、無い袖は振れないぞ」
「そんなんじゃないです。事実を言ったまでで」
「頼りがいがありそうだから、俺に縋ったのか?物乞いの背に、それを見たのか?
もしそうだとしたら、あんた、見る目があるようで、無かったな。…残念ながら、
今回の戦は負け戦だ。――いかな野戦でも、家康の首を取るのは難しかろうよ」
悪気を持って言ったわけではない。単なる、感想。
口角を僅かに上げて言った言葉。又兵衛の声に、女が少し、笑った。
「見る目なんて、要りませんよ」
「は?」
「だって――」
女が微笑う。又兵衛を見上げて、にっこりと。
「他の人を見る必要、ありませんから」
にっこり。
笑う女の意図が。本音が、見えない。
「…意味が分からん」
片眉をあげて、女を見下ろす。女は又兵衛を見上げる。
漆黒の目が、真っ直ぐと射ぬいてきた。
「私は、又兵衛さん以外の人など見ないということですよ」
「……つまり、それは」
迂闊にも、少し、動揺した。
それに感づいたわけでもあるまいが、女は笑ったまま踵を返す。
「都合の良いように、ご解釈ください。――それでは」
振り返りもせずに言って、そのまま城の奥へと消えて行った。
又兵衛はそれを無言で見送る。足音が完全に聴こえなくなったところで
掌で顔を覆った。――指先が、僅かに、熱い。
「……。今、それを言うか?」
都合の良い解釈、をして。
又兵衛は、盛大な溜息をついた。
†
某戦国4コマ。もしくはその別館の又兵衛さんで。
勝ち目無いとか言ってるので、夏の陣付近ですかね。
それにしても好きすぎるよ又兵衛さん…っ!!(≧▽≦)vv
日付的には今日、宴だけど。
深夜更新なので又兵衛話を書く。
相棒は辛すぎるので。
又兵衛話書く。
もう少し練習して、又兵衛さん話書きたい…。
「…はぁ?」
じーっと此方を見ているな、と。
視線を感じてもさほど気にせず――というより
気にしない『ふり』をしていたが。
流石に唐突な質問に、又兵衛はゆるりと振り返った。
「お前、急に何言い出すんだ?」
怪訝な声と視線。
それを投げかける先には、偶々拾って仕方なく面倒を見ている
一人の女が居る。
奉公構の憂き目に遭い、物乞いに身をやつし、牢人として
豊臣に拾われ――大坂城に詰めている身で。
他人に。それも女の面倒を見ている場合か、と。
真田辺りは呆れた顔をするけれど。
妙に人懐こく疑うことを知らないかのような女だ。
縁あって拾ったからには、捨てるのもはばかられる。
第一、女手はあって困るものではない。
身の回りの世話をしてくれる分には有難いし、
何より、話し相手が居るというのは、なかなかどうして嬉しいものだ。
だから傍に置いて、面倒を見て、世話をしてもらっている。
――その女が、唐突に。
こんなことを言いだせば、誰だって今の自分と同じことを言うだろう。
「急と言えば、まぁ、確かにそうですけど」
女が笑った。頬笑みと言うには品がなく、哄笑と言うには優しい顔で。
「ただ、又兵衛さんの背中。広いなぁと思って。…頼りがいがあるというか」
「おだてても、無い袖は振れないぞ」
「そんなんじゃないです。事実を言ったまでで」
「頼りがいがありそうだから、俺に縋ったのか?物乞いの背に、それを見たのか?
もしそうだとしたら、あんた、見る目があるようで、無かったな。…残念ながら、
今回の戦は負け戦だ。――いかな野戦でも、家康の首を取るのは難しかろうよ」
悪気を持って言ったわけではない。単なる、感想。
口角を僅かに上げて言った言葉。又兵衛の声に、女が少し、笑った。
「見る目なんて、要りませんよ」
「は?」
「だって――」
女が微笑う。又兵衛を見上げて、にっこりと。
「他の人を見る必要、ありませんから」
にっこり。
笑う女の意図が。本音が、見えない。
「…意味が分からん」
片眉をあげて、女を見下ろす。女は又兵衛を見上げる。
漆黒の目が、真っ直ぐと射ぬいてきた。
「私は、又兵衛さん以外の人など見ないということですよ」
「……つまり、それは」
迂闊にも、少し、動揺した。
それに感づいたわけでもあるまいが、女は笑ったまま踵を返す。
「都合の良いように、ご解釈ください。――それでは」
振り返りもせずに言って、そのまま城の奥へと消えて行った。
又兵衛はそれを無言で見送る。足音が完全に聴こえなくなったところで
掌で顔を覆った。――指先が、僅かに、熱い。
「……。今、それを言うか?」
都合の良い解釈、をして。
又兵衛は、盛大な溜息をついた。
†
某戦国4コマ。もしくはその別館の又兵衛さんで。
勝ち目無いとか言ってるので、夏の陣付近ですかね。
それにしても好きすぎるよ又兵衛さん…っ!!(≧▽≦)vv
日付的には今日、宴だけど。
深夜更新なので又兵衛話を書く。
相棒は辛すぎるので。
又兵衛話書く。
もう少し練習して、又兵衛さん話書きたい…。
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