日常の一コマや感じたこと。
偏見に満ちたオタク発言とか
二次創作発言などが極めて多し。
良く分からないと言う方は、回れ右推奨です。
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「ん」
ぬっと目の前に出された掌。
何かを要求するその仕草に、むすっと顔を顰めた。
別に、亭主関白で偉そう、とか。
ちゃんと口で欲しいものを言え、とか。
その一言で分かるだろ?って甘えるな、とか。
――そう言うことではない。
「……何て顔してんだ?」
不機嫌極まりない私の顔を見て、又兵衛さんは呆れたような顔をする。
別に、と私。やはり不機嫌な声で言った。
「ただ、嫌だなって思ってるだけです」
「あん?何がだよ」
むっすーっと。あくまでも機嫌の悪い私。子供のように口をとがらせた。
「あと何度、又兵衛さんにこうして槍を渡さなきゃいけないのかな、って」
「はぁ?……そんなことを俺に言われてもな。そもそも戦を始めたのは
俺じゃないし。文句なら、徳川の大御所殿に言っちゃあどうだい?」
「言えるもんなら言いたいですよ。山ほど。てんこ盛り。向こうが
『勘弁してください』って言うほど!」
傍に置いていた、又兵衛さんの槍。
幾度も又兵衛さんと共に出陣し、彼の命を守り、敵の命を狩った槍。
好きにはなれないけれど、感謝する気が全くないわけでもない。
此度の戦も、又兵衛さんを守ってくれるのなら、それで良い。
誰も殺さなくて良い。ただ、又兵衛さんを守ってほしい。
私には長すぎるその柄をぎゅっと握る。
やれやれ、と又兵衛さんの呆れ交じりの溜息が聞こえた。
「今目の前に居ないとはいえ、天下の大御所相手に其処まで言える女。
淀殿を除けば、あんたくらいだろうな」
「何とでもどうぞ!…とにかく私は戦も戦をする奴も気に入らないし、
大っ嫌いだって話ですっ!」
八つ当たりのように喚く。
そんな私を吃驚眼で見つめる又兵衛さん。――が、それも一瞬のこと。
「…へぇ?」
にま、と。
実に意地の悪い――明らかに面白がっている顔で笑った。
「戦をするやつが嫌いってことは。…俺のことも嫌いってわけだ」
「!?っそ、そういう意味じゃなくて!!」
人の揚げ足を取って、にんまりと笑う又兵衛さん。
迂闊にも赤くなった私の顔を見て、更に笑みを深くする。
「そういう意味じゃない、って。じゃあ、どんな意味なんだい?」
「私が嫌いなのは…!嫌い、なのは…!!」
――ああもう。
こうやっていつも意地の悪いことを言う。
言ってほしい台詞、自分は言ってくれないくせに。
私からは聞こうと、いつも意地の悪いことばかりする。
それなのに――
「~っ!!わ、私は戦するやつは嫌いだけどっ、
又兵衛さんは、嫌いじゃないですっ!!」
――こうやって、いつも言わされる。言ってしまう。
「ふぅん…。嫌いじゃない、ね」
にやにやと。してやったりな顔で笑う又兵衛さん。
何て憎たらしい人。意地の悪い男。意地悪な、ヒト。
真っ赤な顔でそっぽを向く私。
その頭に、ぽんっと大きな掌が乗った。
「俺は、あんたのこと好きだけどな?」
「!!?」
「じゃ、コレは貰ってく。……心配しなくても、俺は帰るよ。
何があっても、あんたのところに」
くつくつと笑って、又兵衛さんは私の手から槍を奪う。
するりと抜けたその柄を握って、いつものように
飄々と歩いていった。
「~っ!!…私の方が、大好きだもんっ!!」
黒ずくめの大男。
その背が消えた障子に向かって、小声で叫んだ。
†
背に聴こえてきた小さな声に、くつりと又兵衛は笑った。
「…ったく。何であんなに可愛いかねぇ?」
いつも又兵衛のことを案じてくれる、可愛いヒト。
忍び笑いを隠すよう、掌で顎をゆるりと撫でて。
又兵衛は狭い廊下を歩き始めた。
†
本サイトさんのTop絵が変わっていて。
その又兵衛さんがあまりにも格好良くて好みで、
「ぎゃーっ!!(///▽///)」――ってなったので(落ち着け)
絵の又兵衛さんがね、にやって意地の悪い笑みしてるんです
(※個人の歪んだ見解です。普通にカッコいい笑みです)
なので、ちょっといじめっ子な感じの又兵衛さん話。
既に8弾目です。そろそろ本当にサイトにコーナー作ろうぜ( ̄▽ ̄)
それでは此処までご閲覧いただき、有難うございましたv
ぬっと目の前に出された掌。
何かを要求するその仕草に、むすっと顔を顰めた。
別に、亭主関白で偉そう、とか。
ちゃんと口で欲しいものを言え、とか。
その一言で分かるだろ?って甘えるな、とか。
――そう言うことではない。
「……何て顔してんだ?」
不機嫌極まりない私の顔を見て、又兵衛さんは呆れたような顔をする。
別に、と私。やはり不機嫌な声で言った。
「ただ、嫌だなって思ってるだけです」
「あん?何がだよ」
むっすーっと。あくまでも機嫌の悪い私。子供のように口をとがらせた。
「あと何度、又兵衛さんにこうして槍を渡さなきゃいけないのかな、って」
「はぁ?……そんなことを俺に言われてもな。そもそも戦を始めたのは
俺じゃないし。文句なら、徳川の大御所殿に言っちゃあどうだい?」
「言えるもんなら言いたいですよ。山ほど。てんこ盛り。向こうが
『勘弁してください』って言うほど!」
傍に置いていた、又兵衛さんの槍。
幾度も又兵衛さんと共に出陣し、彼の命を守り、敵の命を狩った槍。
好きにはなれないけれど、感謝する気が全くないわけでもない。
此度の戦も、又兵衛さんを守ってくれるのなら、それで良い。
誰も殺さなくて良い。ただ、又兵衛さんを守ってほしい。
私には長すぎるその柄をぎゅっと握る。
やれやれ、と又兵衛さんの呆れ交じりの溜息が聞こえた。
「今目の前に居ないとはいえ、天下の大御所相手に其処まで言える女。
淀殿を除けば、あんたくらいだろうな」
「何とでもどうぞ!…とにかく私は戦も戦をする奴も気に入らないし、
大っ嫌いだって話ですっ!」
八つ当たりのように喚く。
そんな私を吃驚眼で見つめる又兵衛さん。――が、それも一瞬のこと。
「…へぇ?」
にま、と。
実に意地の悪い――明らかに面白がっている顔で笑った。
「戦をするやつが嫌いってことは。…俺のことも嫌いってわけだ」
「!?っそ、そういう意味じゃなくて!!」
人の揚げ足を取って、にんまりと笑う又兵衛さん。
迂闊にも赤くなった私の顔を見て、更に笑みを深くする。
「そういう意味じゃない、って。じゃあ、どんな意味なんだい?」
「私が嫌いなのは…!嫌い、なのは…!!」
――ああもう。
こうやっていつも意地の悪いことを言う。
言ってほしい台詞、自分は言ってくれないくせに。
私からは聞こうと、いつも意地の悪いことばかりする。
それなのに――
「~っ!!わ、私は戦するやつは嫌いだけどっ、
又兵衛さんは、嫌いじゃないですっ!!」
――こうやって、いつも言わされる。言ってしまう。
「ふぅん…。嫌いじゃない、ね」
にやにやと。してやったりな顔で笑う又兵衛さん。
何て憎たらしい人。意地の悪い男。意地悪な、ヒト。
真っ赤な顔でそっぽを向く私。
その頭に、ぽんっと大きな掌が乗った。
「俺は、あんたのこと好きだけどな?」
「!!?」
「じゃ、コレは貰ってく。……心配しなくても、俺は帰るよ。
何があっても、あんたのところに」
くつくつと笑って、又兵衛さんは私の手から槍を奪う。
するりと抜けたその柄を握って、いつものように
飄々と歩いていった。
「~っ!!…私の方が、大好きだもんっ!!」
黒ずくめの大男。
その背が消えた障子に向かって、小声で叫んだ。
†
背に聴こえてきた小さな声に、くつりと又兵衛は笑った。
「…ったく。何であんなに可愛いかねぇ?」
いつも又兵衛のことを案じてくれる、可愛いヒト。
忍び笑いを隠すよう、掌で顎をゆるりと撫でて。
又兵衛は狭い廊下を歩き始めた。
†
本サイトさんのTop絵が変わっていて。
その又兵衛さんがあまりにも格好良くて好みで、
「ぎゃーっ!!(///▽///)」――ってなったので(落ち着け)
絵の又兵衛さんがね、にやって意地の悪い笑みしてるんです
(※個人の歪んだ見解です。普通にカッコいい笑みです)
なので、ちょっといじめっ子な感じの又兵衛さん話。
既に8弾目です。そろそろ本当にサイトにコーナー作ろうぜ( ̄▽ ̄)
それでは此処までご閲覧いただき、有難うございましたv
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