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「お前が望むなら、その願いを叶えても良いよ」
少年はそう言って、紅い瞳を猫のように細めて見せた。
艶やかな銀の髪が、さらりと音を立てて肩から零れ落ちる。
少女はそれを目で追って、もう一度少年を見つめた。
くつり、と少年が笑う。薄いその唇が、まるで上弦の月の
ように、薄ら寒く微笑っていた。
「何だよ。そんなに変な申し入れか?望んだのはお前だろ?」
「それは…そう、だけど。──でも……」
言い淀む少女。その傍に近づいて、少年はそっと彼女の
頬を撫でた。びく、と躯を竦める少女を見下ろして、少年は
微笑う。──獲物を見つけた、猛獣の目で。
「俺はお前に従う。だから、お前が決めるんだ。──今のままで
泣き寝入るのか。運命に弄られ、宿命を嘆き。己の悲劇に
心行くまで酔いしれるのか。──…それとも………」
少年は撫でていた手を、すぃっ、と引き。代わりに少女の
白く細い頤を掴んで、ぐい、と少女を上向かせた。
少女の瞳に映る己の顔。それは酷く歪んだ微笑を湛えていた。
「その手を汚す覚悟。地に堕ちる覚悟。全てを捨てる覚悟……
それら全てを受け入れ、自ら道を切り開くのか」
少年は少女に顔を寄せる。今にも口吻けしそうな位置まで寄せると
声を潜めて囁いた。少年独特の、甘い声で。
「──どっちを、選ぶ?」
悪魔にも似た声音で囁かれて、少女は少し目をそらした。けれど
悪魔はそれが気にいらないらしく、少女の意識を己に向けさせる。
──その唇を奪うことで。
驚愕に目を見開く少女を、さも面白そうに見下ろして、少年は
再び微笑んだ。甘く、優しく。それでいて、闇を孕んだ毒の笑み。
「ねぇ、どっち?どっちを選んだって良いんだぜ?お前が選ぶ道を、
俺も共に歩いてやるよ。逃げるというなら、宛ら盾のようにお前を
優しく護ってやる。戦うというのなら、宛ら剣のようにお前に生き抜く
力を与えてやる。──さぁ、………どっち?」
少年の蠱惑的な声音。本能が危険を告げる程、毒を孕んだ甘い微笑。
それでも、少女は彼から逃げることを選択する気持ちが湧かなかった。
少女は少し間を置いて、答えた。
「………わたしは………」
──…こんなのをベースに、オリジナルを書いてます( ̄▽ ̄)
何時お目見えできることやら……。
てか、この少年…如何見ても坊なんですけど(笑)
無意識の潜在意識って怖いネ☆(爽微笑)