日常の一コマや感じたこと。
偏見に満ちたオタク発言とか
二次創作発言などが極めて多し。
良く分からないと言う方は、回れ右推奨です。
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――最近、如何ですか?
そう訊いてきた少年は、猫のように目を細めたまま
手に持った駒を盤上に置いた。白と黒の二色で作られた
それの上に、やはり白と黒で作られた駒が踊る。
「…如何、って?」
彼が何を聞きたいのかは、知っている。けれどあえてそれに
答えずに、はぐらかす様にして青年は小首を傾げた。
ほぼノータイムで黒い駒を動かすと、少年が小さく笑う。
「ずるいな、全然悩まないんだから。…少しはこれで形勢が
有利になると思ったんですけどね」
「ずるいのは君だろ?変な質問で思考をかく乱しよう、なんて
セコイ事を考えて。……まぁ、問題ないけどね。僕はあと
2、3手は先を考えながら打ってるし」
くす、と笑い含みに言うと、2、3手ですか、と少年は苦笑する。
「――それって、この勝負のことですかね?……それとも…?」
「『それとも』、の方だったらどうする?」
挑むような鳶色の瞳に、金にも似た琥珀色の瞳が嘲笑う。
――コトン、と駒が啼いた。
白の騎士。いつの間にかそれは黒の王を狙っている。
「…別に如何もしませんよ。貴方がどんな策略を練ろうと、ボクは
必ず姫君を奪い取ります。……それが<騎士>の使命であり
存在意義ですから。――チェック、です」
「……くくっ、言うねぇ……親鳥代わりの姉鳥に守られっぱなしの
雛鳥が、さ」
――コツ、と駒が嘶く。
黒の女王。王を狙う白の騎士を、一瞬で盤上より退場させた。
「奪い取る?構わないよ。――できるものなら、やってごらん?」
くつくつ、くつくつ――黒き<王>は嘲笑う。
歪んだ金の月を宿した昏い瞳で。
「ただし。その代価は高いよ?…人の大事なものを奪い取ろうって
言うんだから、君の大事なものを差し出してもらわなきゃ。
…その覚悟の上で、言ってるんだよね?」
白い騎士を奪った黒き女王。――彼女の視線の先には、
白の王が鎮座している。
「おっと、コールするのを忘れてた。――チェック・メイト」
静かな声がさも楽しげに。絶世の美貌を歪めて笑う。
「よぉく考えるんだね。……チェスならそれで終わり。何故なら
<ルール>に守られているから。……でもね?」
かたん、と椅子を引く音がした。月影と燭台に彩られた黒髪と
琥珀の瞳。そして緑と紫に揺れるバンダナ――
「<ルール>無用の<現実>の世界なら、結局勝つのは……」
死神が、微笑む。これ以上ないほど優しく。
「――これ以上は、言わなくても分かるよね?」
くす、と。
玲瓏な笑い声を残して、死神は部屋を出て行った。
一人残された少年は、暫くは動かず。徐に動くと、チェス盤を
机ごと蹴り倒した。
「…ルール無用、だって?……それはこっちの台詞ですよ」
ぐしゃりと前髪を掻きあげると、くつくつと嘲笑った。
「誰も、生きたまま手に入れたい、とは言ってませんからね」
冷たくなっていく彼女の骸の傍に、ボクだけが寄り添う。
同時に冷たくなっていくボクの骸を、貴方は如何するつもりですか?
無様に泣きわめき、物言わぬボクの骸を辱め、それで屈辱を
晴らすおつもりですか?
「…っはは…!!…良いね、そんな貴方をあの世から見るのも、悪くない…」
いつの間にか姿を現した明星。
そのしらじらとした光を眼の端にとらえながら、少年は月を仰いだ。
†
…管理人が大好きなお友達の一人、A様が、とっても素敵な
坊vs2主(?)の夢小説をアップされていて。
あまりにもそれが素敵過ぎたので触発されて書いてみました。
………撃沈、です…orz|||
何であんな素敵な話書けるんだろう……(羨望)
もう理論的で言葉も洗練されてて、読むだけでうっとりします。
いや、マジで(>▽<)
…ちょっとでもA様に近づけたらなぁ、と思いつつ(※おこがましい!)
そう訊いてきた少年は、猫のように目を細めたまま
手に持った駒を盤上に置いた。白と黒の二色で作られた
それの上に、やはり白と黒で作られた駒が踊る。
「…如何、って?」
彼が何を聞きたいのかは、知っている。けれどあえてそれに
答えずに、はぐらかす様にして青年は小首を傾げた。
ほぼノータイムで黒い駒を動かすと、少年が小さく笑う。
「ずるいな、全然悩まないんだから。…少しはこれで形勢が
有利になると思ったんですけどね」
「ずるいのは君だろ?変な質問で思考をかく乱しよう、なんて
セコイ事を考えて。……まぁ、問題ないけどね。僕はあと
2、3手は先を考えながら打ってるし」
くす、と笑い含みに言うと、2、3手ですか、と少年は苦笑する。
「――それって、この勝負のことですかね?……それとも…?」
「『それとも』、の方だったらどうする?」
挑むような鳶色の瞳に、金にも似た琥珀色の瞳が嘲笑う。
――コトン、と駒が啼いた。
白の騎士。いつの間にかそれは黒の王を狙っている。
「…別に如何もしませんよ。貴方がどんな策略を練ろうと、ボクは
必ず姫君を奪い取ります。……それが<騎士>の使命であり
存在意義ですから。――チェック、です」
「……くくっ、言うねぇ……親鳥代わりの姉鳥に守られっぱなしの
雛鳥が、さ」
――コツ、と駒が嘶く。
黒の女王。王を狙う白の騎士を、一瞬で盤上より退場させた。
「奪い取る?構わないよ。――できるものなら、やってごらん?」
くつくつ、くつくつ――黒き<王>は嘲笑う。
歪んだ金の月を宿した昏い瞳で。
「ただし。その代価は高いよ?…人の大事なものを奪い取ろうって
言うんだから、君の大事なものを差し出してもらわなきゃ。
…その覚悟の上で、言ってるんだよね?」
白い騎士を奪った黒き女王。――彼女の視線の先には、
白の王が鎮座している。
「おっと、コールするのを忘れてた。――チェック・メイト」
静かな声がさも楽しげに。絶世の美貌を歪めて笑う。
「よぉく考えるんだね。……チェスならそれで終わり。何故なら
<ルール>に守られているから。……でもね?」
かたん、と椅子を引く音がした。月影と燭台に彩られた黒髪と
琥珀の瞳。そして緑と紫に揺れるバンダナ――
「<ルール>無用の<現実>の世界なら、結局勝つのは……」
死神が、微笑む。これ以上ないほど優しく。
「――これ以上は、言わなくても分かるよね?」
くす、と。
玲瓏な笑い声を残して、死神は部屋を出て行った。
一人残された少年は、暫くは動かず。徐に動くと、チェス盤を
机ごと蹴り倒した。
「…ルール無用、だって?……それはこっちの台詞ですよ」
ぐしゃりと前髪を掻きあげると、くつくつと嘲笑った。
「誰も、生きたまま手に入れたい、とは言ってませんからね」
冷たくなっていく彼女の骸の傍に、ボクだけが寄り添う。
同時に冷たくなっていくボクの骸を、貴方は如何するつもりですか?
無様に泣きわめき、物言わぬボクの骸を辱め、それで屈辱を
晴らすおつもりですか?
「…っはは…!!…良いね、そんな貴方をあの世から見るのも、悪くない…」
いつの間にか姿を現した明星。
そのしらじらとした光を眼の端にとらえながら、少年は月を仰いだ。
†
…管理人が大好きなお友達の一人、A様が、とっても素敵な
坊vs2主(?)の夢小説をアップされていて。
あまりにもそれが素敵過ぎたので触発されて書いてみました。
………撃沈、です…orz|||
何であんな素敵な話書けるんだろう……(羨望)
もう理論的で言葉も洗練されてて、読むだけでうっとりします。
いや、マジで(>▽<)
…ちょっとでもA様に近づけたらなぁ、と思いつつ(※おこがましい!)
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