日常の一コマや感じたこと。
偏見に満ちたオタク発言とか
二次創作発言などが極めて多し。
良く分からないと言う方は、回れ右推奨です。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
一体、俺達が何をしたと言うんだ――
縁側に腰かけた少年が、ぽつりと呟いた。
少年の傍に座る少女は、少年を見て、また庭を見た。
「何もしてないよ」
「だったら、何故。何故、俺達がこんな目に遭わなきゃならない?」
幾度となく繰り返される、同じ問答。
少女は庭を見る。
少年は、空を見る。
「だって」
少女は言う。
「それが、定めだから。あたし達が生まれた……。
ううん、それより遥か前から、決められた。
決まっている、宿命だから」
「違う」
少年は言う。
「これは定めなんかじゃない。
たった一人の――身勝手な女の招いた業だ。
何故、それを。
――その贖罪を、俺達がやらねばならないんだ?」
少年は掌を見る。
刻一刻と。
一つ、二つ、と数えるうちに、見る見る老いていく体。
隣の子供は、この世に生まれて三ヶ月と三日。
同じ年。同じ日に生まれた彼は、既に十代の体。
「何故、俺達だけが……」
「嘆けば、何か変わるの?」
掌で顔を覆う少年に、少女は言う。
庭を見たままの青い瞳が、空を見上げた。
「あたし達は人であって、人ではない。
神の子であって、神ではない。
…皆があたし達一族に期待するけれど、
同じ分だけ忌避してる。……そんなの、今更だよ。
初代も、その次も。――代々の当主、一族の皆。
全員が同じもの背負わされて、生まれて死んだ。
今更それを嘆くのは、死んでいった皆への…侮辱だ」
「じゃあお前は!」
頬を朱に染め、眉間に皺を刻む少年。
少女の肩をつかみ、前後に揺すった。
「悔しくないのか?!何もしてない俺達に、汚れも呪いも
全て押しつけて、高みの見物を決め込む奴らが居る!
短命と種絶なんてクソみたいな呪いをかけて、高笑いしてる
鬼がいる!!――そいつを倒すためだけ…道具として
生まれ死んでいくこと…それが悔しくないのか?!」
少年は少女を揺する。父親譲りの赤い瞳。
見つめてくる赤い瞳に、激しい怒りをたぎらせた。
「怒れよ!!全てを諦観して受け入れた振りするなよ!!
怒って、怒って…たった二年しかない命でも、
怒りたぎらせて生きろよ!!」
少年は、知っている。
――少女は、今月で一歳と五ヶ月。
彼女には、もう時間がない。この世に生きる時間が。
「…君は先代当主に…。父親に、そっくりだよ。
あの人も、そうやって、あたしを良く叱った。
君も、きっと良い当主になるよ」
少女はそっと少年の手を取って、ふわりと微笑んだ。
「あたしは、多分ダメだと思う。…最近、凄く、疲れるんだ。
――だからね、君に。……皆に、託すよ。
きっと、討ってね」
青い瞳。白い肌。緑の髪。――母譲りだと言う、その、色。
「朱点を、きっと。きっと討ってね。
ヒトの為でも。カミの為でもない。
――ただ、あたしたち一族。…その、鎮魂の為に」
少女は微笑む。
――遠くから、赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。
†
某曲が、あまりにも『俺屍』ソングだったので。
聴きながら、思いつくままに書いてみた。
『俺屍』発売を記念して(笑)
興味をもたれたか方は、プレイしてみてください。
ハマりますよ(笑/お前は回し者か)
縁側に腰かけた少年が、ぽつりと呟いた。
少年の傍に座る少女は、少年を見て、また庭を見た。
「何もしてないよ」
「だったら、何故。何故、俺達がこんな目に遭わなきゃならない?」
幾度となく繰り返される、同じ問答。
少女は庭を見る。
少年は、空を見る。
「だって」
少女は言う。
「それが、定めだから。あたし達が生まれた……。
ううん、それより遥か前から、決められた。
決まっている、宿命だから」
「違う」
少年は言う。
「これは定めなんかじゃない。
たった一人の――身勝手な女の招いた業だ。
何故、それを。
――その贖罪を、俺達がやらねばならないんだ?」
少年は掌を見る。
刻一刻と。
一つ、二つ、と数えるうちに、見る見る老いていく体。
隣の子供は、この世に生まれて三ヶ月と三日。
同じ年。同じ日に生まれた彼は、既に十代の体。
「何故、俺達だけが……」
「嘆けば、何か変わるの?」
掌で顔を覆う少年に、少女は言う。
庭を見たままの青い瞳が、空を見上げた。
「あたし達は人であって、人ではない。
神の子であって、神ではない。
…皆があたし達一族に期待するけれど、
同じ分だけ忌避してる。……そんなの、今更だよ。
初代も、その次も。――代々の当主、一族の皆。
全員が同じもの背負わされて、生まれて死んだ。
今更それを嘆くのは、死んでいった皆への…侮辱だ」
「じゃあお前は!」
頬を朱に染め、眉間に皺を刻む少年。
少女の肩をつかみ、前後に揺すった。
「悔しくないのか?!何もしてない俺達に、汚れも呪いも
全て押しつけて、高みの見物を決め込む奴らが居る!
短命と種絶なんてクソみたいな呪いをかけて、高笑いしてる
鬼がいる!!――そいつを倒すためだけ…道具として
生まれ死んでいくこと…それが悔しくないのか?!」
少年は少女を揺する。父親譲りの赤い瞳。
見つめてくる赤い瞳に、激しい怒りをたぎらせた。
「怒れよ!!全てを諦観して受け入れた振りするなよ!!
怒って、怒って…たった二年しかない命でも、
怒りたぎらせて生きろよ!!」
少年は、知っている。
――少女は、今月で一歳と五ヶ月。
彼女には、もう時間がない。この世に生きる時間が。
「…君は先代当主に…。父親に、そっくりだよ。
あの人も、そうやって、あたしを良く叱った。
君も、きっと良い当主になるよ」
少女はそっと少年の手を取って、ふわりと微笑んだ。
「あたしは、多分ダメだと思う。…最近、凄く、疲れるんだ。
――だからね、君に。……皆に、託すよ。
きっと、討ってね」
青い瞳。白い肌。緑の髪。――母譲りだと言う、その、色。
「朱点を、きっと。きっと討ってね。
ヒトの為でも。カミの為でもない。
――ただ、あたしたち一族。…その、鎮魂の為に」
少女は微笑む。
――遠くから、赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。
†
某曲が、あまりにも『俺屍』ソングだったので。
聴きながら、思いつくままに書いてみた。
『俺屍』発売を記念して(笑)
興味をもたれたか方は、プレイしてみてください。
ハマりますよ(笑/お前は回し者か)
PR
Comment
Trackback
トラックバックURL: