日常の一コマや感じたこと。
偏見に満ちたオタク発言とか
二次創作発言などが極めて多し。
良く分からないと言う方は、回れ右推奨です。
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最近、彼女の様子がおかしい。
――と言って、具体的に「何がどうだ」とは言えないのだが。
しいて言えば「不機嫌」なのだろう。
目が合えば、一応笑う。会釈をする。――でもそれだけ。
話しかければ、一応応える。冗談に笑う。――でも愛想笑い。
意図的なのか、無意識なのか。
俺には量りかねるが、ともかく、彼女は「不機嫌」らしい。
「何も聞かないんですね」
ぽつり、と彼女が唐突に呟いた。
何のことかなど、考えるまでもない。
いつだってそのことを考えているのだから。
だが、それを直接問うことはしなかった。
妙な意地の張り合いだと、自分でも笑ってしまう。
「何のことだ?」
「…。分からないなら、良いです」
とぼけた顔に、彼女は顔を顰める。
何か言いたそうな顔をして、結局踵を返してしまった。
「…何なんだよ、一体」
「――鈍いなぁ」
独り言に相槌が返って、少し驚いた。
振り返ると、俺よりずっと背の低い。けれど彼女よりは高い、
団右衛門がいた。ニヤニヤしながら俺を見上げている。
「…団右。盗み聞きとは趣味が悪いぞ」
「人聞きの悪い。廊下は公共の場所だろ?聴こえただけだよ」
にぃっと。悪戯小僧の笑みで笑って、団右衛門は俺に一歩近づく。
そうして、ぐい、と胸を張るようにして俺を見上げた。
「天才軍師も、女心はからっきしだね。――彼女、妬いてんだよ」
「……はぁ?」
「あ、その顔は『心外な』って言いたそうだな。でも、そりゃあお門違いだ。
――彼女は間違いなく妬いてるよ。……薄田と、遊女の話、してたろ?」
「遊女?……昔の話だろ。そんなの」
悪い男ではないが、女の話じゃ事欠かない薄田と、ほんの少し。
戯言程度に話をしていただけで、後ろめたいことは無い。
そう言うと、「鈍いなぁ」と団右衛門は再度言った。
「昔だろうと今だろうと。惚れた男のことなら知りたいのが女心さ。
昔のことに目くじら立てるのは、あんまりにも狭量だと。
分かっていてなお、拗ねちまうんだ。可愛いもんじゃないか」
「……」
そういうものだろうか?
それなら、直接言えば良いのに。なぜ何も言わない?
「何も言わないのは、又兵衛も同じだと思うけどね」
心を読んだように、団右衛門が言う。相変わらず、悪童の笑みで。
「何でそんな拗ねてるんだ?って。聞けばいいじゃないか。
お互い黙ってるんだったら、年長者の方。男の方が折れてやれよ」
「……。あんた、意外と誑しだな」
何だか妙に悔しいので、そう言ってやった。
団右衛門は、にぃっと得意げに笑う。
「そりゃそうさ。僧形にあって、刀を常に持ち歩くような。
そんな生臭坊主だったんだぜ?女に縁が無い方がおかしいだろ?」
そう言って、生意気な生臭『元』坊主は笑った。
礼を言うのも癪なので。
後ろ手に手だけ振って、俺は彼女の消えた方へと歩き出した。
†
何となく又兵衛さんと、塙ちゃんとの話(笑)
こういう話は、真田より塙ちゃんの方が向いてそうだなぁと。
シバリョの塙ちゃんなら、色恋沙汰も詳しそう(笑)
まぁ、モテ男な薄田さんの方が、もっと詳しそうだけども(笑)
それでは、此処まで読んでくださって有難うございました!
――と言って、具体的に「何がどうだ」とは言えないのだが。
しいて言えば「不機嫌」なのだろう。
目が合えば、一応笑う。会釈をする。――でもそれだけ。
話しかければ、一応応える。冗談に笑う。――でも愛想笑い。
意図的なのか、無意識なのか。
俺には量りかねるが、ともかく、彼女は「不機嫌」らしい。
「何も聞かないんですね」
ぽつり、と彼女が唐突に呟いた。
何のことかなど、考えるまでもない。
いつだってそのことを考えているのだから。
だが、それを直接問うことはしなかった。
妙な意地の張り合いだと、自分でも笑ってしまう。
「何のことだ?」
「…。分からないなら、良いです」
とぼけた顔に、彼女は顔を顰める。
何か言いたそうな顔をして、結局踵を返してしまった。
「…何なんだよ、一体」
「――鈍いなぁ」
独り言に相槌が返って、少し驚いた。
振り返ると、俺よりずっと背の低い。けれど彼女よりは高い、
団右衛門がいた。ニヤニヤしながら俺を見上げている。
「…団右。盗み聞きとは趣味が悪いぞ」
「人聞きの悪い。廊下は公共の場所だろ?聴こえただけだよ」
にぃっと。悪戯小僧の笑みで笑って、団右衛門は俺に一歩近づく。
そうして、ぐい、と胸を張るようにして俺を見上げた。
「天才軍師も、女心はからっきしだね。――彼女、妬いてんだよ」
「……はぁ?」
「あ、その顔は『心外な』って言いたそうだな。でも、そりゃあお門違いだ。
――彼女は間違いなく妬いてるよ。……薄田と、遊女の話、してたろ?」
「遊女?……昔の話だろ。そんなの」
悪い男ではないが、女の話じゃ事欠かない薄田と、ほんの少し。
戯言程度に話をしていただけで、後ろめたいことは無い。
そう言うと、「鈍いなぁ」と団右衛門は再度言った。
「昔だろうと今だろうと。惚れた男のことなら知りたいのが女心さ。
昔のことに目くじら立てるのは、あんまりにも狭量だと。
分かっていてなお、拗ねちまうんだ。可愛いもんじゃないか」
「……」
そういうものだろうか?
それなら、直接言えば良いのに。なぜ何も言わない?
「何も言わないのは、又兵衛も同じだと思うけどね」
心を読んだように、団右衛門が言う。相変わらず、悪童の笑みで。
「何でそんな拗ねてるんだ?って。聞けばいいじゃないか。
お互い黙ってるんだったら、年長者の方。男の方が折れてやれよ」
「……。あんた、意外と誑しだな」
何だか妙に悔しいので、そう言ってやった。
団右衛門は、にぃっと得意げに笑う。
「そりゃそうさ。僧形にあって、刀を常に持ち歩くような。
そんな生臭坊主だったんだぜ?女に縁が無い方がおかしいだろ?」
そう言って、生意気な生臭『元』坊主は笑った。
礼を言うのも癪なので。
後ろ手に手だけ振って、俺は彼女の消えた方へと歩き出した。
†
何となく又兵衛さんと、塙ちゃんとの話(笑)
こういう話は、真田より塙ちゃんの方が向いてそうだなぁと。
シバリョの塙ちゃんなら、色恋沙汰も詳しそう(笑)
まぁ、モテ男な薄田さんの方が、もっと詳しそうだけども(笑)
それでは、此処まで読んでくださって有難うございました!
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